2020.06.17

第5章 10 の知識エリア YOUTUBE動画PMBOK第6版の知識と手法

PMBOK第6版の知識と手法がこれ1冊でしっかりわかる教科書 YOUTUBE動画 第5章

これから少しづつ定期的にアップしていきます。「PMBOK第6版の知識と手法がこれ1冊でしっかりわかる教科書」 を片手にぜひご覧ください。

 

第1章 プロジェクトの基本

第2章 PMBOKの基本

第3章 10の知識エリア

第4章 プロジェクトの立ち上げ

第5章 プロジェクトの計画

この章では、立ち上げプロセス群に続く、計画
プロセス群について解説します。このプロセス
群は、5つのプロセス群の中でもっとも多くの
プロセスを含む、プロジェクトマネジメントの
要となるものです。流れと関連性を意識しなが
ら、各プロセスを確認しましょう。

 

38 要求事項をさらに集める

計画プロセス群において最初に始めるべき作業は、「各ステークホルダーの要求事項
を明確にすること」です。ステークホルダー登録簿の要求事項だけでは不十分なた
め、さまざまな方法を利用して、さらにデータを収集する必要があります。

<まとめ>
・計画プロセス群において最初に始める作業は、各ステークホルダーの要求事項をより明確にすること
・ブレーンストーミングやインタビューなどで、潜在的な要求事項を多面的に聞き出すことが重要

 

39 要求事項をまとめて一覧表にする

各ステークホルダーから要求事項を集めたら、それらをまとめて「要求事項文書」を
作成します。要求事項をまとめる際のポイントや、要求事項文書の特徴を押さえて
おきましょう。

<まとめ>
・要求事項をまとめる方法として、意思決定、親和図、ノミナルグループ技法などがある
・要求事項文書とは、個々の要求事項がプロジェクトのビジネス・ニーズを満たす方法について記述したもの
・要求事項文書は、成果物には直接関係しない各部門からの要求なども含む

 

 

40 要求事項から成果物を定義する

要求事項文書を作成したら、そこに記載されている要求事項をもとに「成果物」を定
義します。そのために、「プロジェクトスコープ記述書」を作成します。ここではプ
ロジェクトスコープ記述書の特徴を押さえましょう。

<まとめ>
・代替案分析とは、要求事項から妥協案を検討する手法のことプロダクト分析とは、抽象的な要求事項を具体的にする手法の
こと
・プロジェクトスコープ記述書とは、プロジェクト・スコープと
・プロダクト・スコープを含むスコープ全体を文書化したもの

 

 

41 WBSを作成する

プロジェクトスコープ記述書を作成したら、そこで定義した成果物をもとに、作業
分解図である「WBS」を作成します。ワークパッケージとアクティビティの関連に注
意しながら、具体的な内容を確認していきましょう。

<まとめ>
・WBSの最下層はアクティビティではなく、ワークパッケージである
・ワークパッケージは、一般に1 ~ 2週間程度で完了する作業項目とされている
・WBS辞書とは、ワークパッケージなどWBS内の作業項目についての説明文書のこと

 

42 ワークパッケージごとにアクティビティを定義する

WBSを作成し、ワークパッケージを特定したら、ワークパッケージごとに「アク
ティビティ」を定義します。ここでは主に、「アクティビティリスト」と「アクティビ
ティ属性」が作成されます。

<まとめ>
・アクティビティリストとは、ワークパッケージを構成するアクティビティの一覧である
・アクティビティリストはワークパッケージごとに作成する
・アクティビティ属性とは、各アクティビティの詳細を説明した文書のこと

 

43 ワークパッケージ内のアクティビティの順序を定義する

各ワークパッケージでアクティビティリストを生成したら、ワークパッケージ内の
作業順序=「アクティビティの順序」を決定します。ここでは、アクティビティの順
序だけでなく、「アクティビティどうしの関係」も検討します。

<まとめ>
・アクティビティの順序設定は、ワークパッケージごとに行う
・「依存関係の決定と統合」および「リードとラグ」で、作業関係を明確にする
・プレシデンスダイアグラム法で、作業順序を図示することができる

 

44 アクティビティに必要な資源と所要期間を検討する

ワークパッケージ内のアクティビティの順序が決定したら、「各アクティビティを完
了させるために必要な資源」の種類と量を考え、「所要期間」を検討します。そのた
めに、4 つの見積り技法を活用します。

<まとめ>
・アクティビティで利用する資源を検討したあと、各アクティビティで必要な所要期間を検討する
・各アクティビティの所要期間を検討することで、各ワークパッケージのスケジュールが完成する
・類推見積り、パラメトリック見積り、三点見積り、ボトムアップ見積りという4 つの見積り技法が存在する

 

45 アクティビティの予算を設定する

各アクティビティで使用する資源と所要期間を検討したら、「各アクティビティで使
用する予算」を検討します。このとき、リスクに対する予備費用も設定しておく必要
があります。

<まとめ>
・コストの見積りプロセスでは、アクティビティ所要期間の見積りプロセスと同様に、4 つの見積り技法を利用する
・コンティンジェンシー予備とは、特定できたリスクに対する予備費用のこと
・発生量が未知の特定できたリスクについても、コンティンジェンシー予備が適用される

 

46 プロジェクトスケジュールを設定する

ワークパッケージごとのスケジュールが完成したら、それらを統合・調整して「プロ
ジェクト全体のスケジュール」を設定します。その際、クリティカル・パス法、資源
標準化、スケジュール短縮などの手法が利用されます。

<まとめ>
・プロジェクトスケジュールを設定する場合は、クリティカル・パスを定義する
・資源平準化で、資源の需要と供給のバランスを検討する
・すべてのアクティビティが納期までに完了しない場合は、リードやスケジュール短縮を利用する

 

 

47 コストベースラインを設定する

アクティビティで利用する予算を設定し、またプロジェクトスケジュールを設定し
たら、各アクティビティの予算を統合して、「コストベースライン」を設定します。
このプロセスでも、予備費用の設定がポイントになります。

<まとめ>
・ベースラインとは、コスト面などにおいてプロジェクトマネジャーが承認した結果のこと
・マネジメント予備とは、特定できないリスクに対する予備費用のこと
・マネジメント予備を利用する場合は、スポンサーの承認を得ることが必要

 

 

48 品質マネジメント計画書と品質尺度を設定する

スコープ、スケジュール、コストに関する計画を検討したら、「品質に関する計画」
を検討します。品質にかけることができる予算などを考慮しながら、成果物の品質
の評価方法や評価基準などを定義します。

<まとめ>
・品質尺度とは、受入基準よりも精度の高い、成果物に対する評価基準のこと
・品質マネジメントの計画プロセスの費用便益分析とは、品質にかけることができる予算と、期待される品質を比較するもの
・品質にかけることができる予算を品質コストという

 

49 役割と責任を設定する

品質に関する計画を検討したら、目標の品質を達成するために必要な資源に関する
計画を検討します。資源の「役割と責任」を明確にするために、責任分担マトリック
スと呼ばれるデータ表現を利用することが特徴です。

<まとめ>
・資源マネジメント計画書とは、資源の獲得方法、人的資源の育成方法、マネジメント方法、物的資源の管理方法について定義した文書のこと
・チーム憲章とは、チームの価値観や業務上のガイドラインなど、チームのあり方について定義した文書のこと
・RACIチャートにおける説明責任の役割は、該当作業につき1人だけしかいない

 

50 会議予定などを設定する

資源に対する役割と責任を検討したら、各ステークホルダーの要求事項をもとにし
て、「会議予定などを設定」します。そのために、ステークホルダーが望む情報を分
析し、コミュニケーションの取り組み方を検討します。

<まとめ>
・コミュニケーションマネジメント計画書には、会議予定、レポート内容、情報を伝達する責任者などが記述されている
・コミュニケーション要求事項分析で情報のニーズを明確にする

 

 

51 ステークホルダー関与度の管理方法を設定する

コミュニケーションに関する計画を検討したら、「ステークホルダーの関与度」を管
理する方法を検討します。このプロセスでは、関与度を可視化して、コミュニケー
ションレベルを特定することがポイントになります。

<まとめ>
・ステークホルダーエンゲージメント計画書とは、効果のある関与を助長する戦略と行動を記述した文書のこと
・PMBOK Guide では、関与度は5段階で定義される
・ステークホルダー関与度評価マトリックスで、各ステークホルダーに必要なコミュニケーションレベルを特定する

 

52 リスクとは

本セクションから、プロジェクトにおけるリスクマネジメントについて解説してい
きます。まずは、「リスク」とはそもそも何であるか、リスクにはどのような種類が
あるかを確認しましょう。

<まとめ>
・リスクには、全体リスクと個別リスクがある
・全体リスクと個別リスクはともに、ポジティブ・リスクとネガティブ・リスクに分かれる

 

53 リスクマネジメント活動を設定する

プロジェクト憲章などをもとにして、「リスクマネジメント活動」の方法を定義しま
す。これまでに設定してきたプロジェクト計画の中に含まれる、リスクに関するあ
らゆる情報をまとめます。

<まとめ>
・リスクマネジメントの計画プロセスは、プロジェクト憲章やプロジェクトマネジメント計画書にもとづいて実施される
・リスクマネジメント計画書とは、リスクの特定方法、分析方法、対応策の立て方、対応策の実施方法、リスクの監視の方法
などを定義した文書のこと
・リスクマネジメント計画書には、リスクの発生確率と影響度の定義、発生確率・影響度マトリックスを設定する

 

 

54 リスクを特定する

リスクマネジメント計画書をもとにして、過去の類似したプロ
ジェクトの情報や、現在のプロジェクト情報から、「リスクを特定」します。特定し
たリスクは、「リスク登録簿」としてまとめられます。

<まとめ>
・リスク登録簿とは、個別リスクの一覧表のこと
・リスクの特定方法には、ステークホルダーから意見を集める方法と、過去や現在のプロジェクトのデータを分析する方法がある

 

55 リスクを分析する

プロジェクトに対して影響を与えうるリスクを特定したら、「リスクを分析」します。
発生確率・影響度マトリックスを利用してリスクを等級づけし、リスク登録簿とリ
スク報告書を更新します。

<まとめ>
・リスク分析には、リスクの定性的分析プロセスとリスクの定量的分析プロセスがある
・発生確率・影響度マトリックスを使用すると、リスクの等級づけができる

 

56 リスクの対応方法を定義する

リスク分析を行ったら、各リスクについての対応方法を設定します。対応方法は大
きく分けて、個別リスクの対応と、全体リスクの対応があります。リスクの対応方
法はPMP試験の重要なポイントなので、しっかりと押さえておきましょう。

<まとめ>
・主な脅威の戦略は回避、転嫁、軽減であり、主な好機の戦略は活用、共有、強化である
・エスカレーションと受容策は、どのリスクにおいても利用可能

 

 

57 そのほかのリスク対応方法を定義する

そのほかのリスク対応方法として、対応策が不十分でリスクが発生した場合に使用
する、「コンティンジェンシー対応戦略」について解説します。また、リスクの対応
方法を設定したあとの、リスク登録簿の加筆についても確認しましょう。

<まとめ>
・コンティンジェンシー対応戦略とは、リスクが発生して、対応策が不十分な場合に使用する対応のこと
・コンティンジェンシー対応戦略は、トリガーの状況から判断して実施される
・リスク登録簿に加筆する項目には、個別リスクの対応方法、コンティンジェンシー対応戦略、残存リスク、2 次リスクなどがある

 

 

58 入札文書・調達マネジメント計画書を設定する

プロジェクトによっては、一部の作業を外製にする場合があります。ここでは、そ
の際の「調達の計画」について解説します。アウトプットされる文書が多いため、内
容を区別して押さえておきましょう。

<まとめ>
・調達マネジメントの計画プロセスを実施するタイミングは、スコープを定義したあと
・入札文書は調達の意思決定を示した文書であり、調達マネジメント計画書は調達の取り組み方を定義する文書のこと

 

 

59 契約形態を検討する

Sec.58 で解説した調達マネジメントの計画プロセスにおいて、外部業者に対する契
約内容も検討します。それに関連し、ここでは PMBOK Guideで定義されている「契
約形態」について解説します。

<まとめ>

・PMBOK Guideで定義している契約形態は大きく分けて、定額契約、実費償還契約、T&M 契約の3つがある
・定額契約と実費償還契約は、それぞれ3 つの種類がある

 

 

60 プロジェクトマネジメント計画書を設定する

これまでのすべての計画プロセスの内容を踏まえて、「プロジェクトマネジメント計
画書」を設定します。このプロジェクトマネジメント計画書によって、プロジェクト
の進め方が決まります。
<まとめ>

・プロジェクトマネジメント計画書とは、プロジェクトの進め方について定義した文書のこと
・プロジェクトマネジャーがプロジェクトマネジメント計画書を承認すると、計画が完成する
・プロジェクトマネジメント計画書の作成は、プロジェクトの初期段階で任命されたメンバーが行う

 

 

61 キックオフ会議を実施する

プロジェクトマネジメント計画書が完成したら、「キックオフ会議」を実施します。
キックオフ会議には、プロジェクトチームの士気を上げるほか、各ステークスホル
ダーの役割と責任を確認するなどの目的があります。
<まとめ>

・キックオフ会議の目的は、ステークホルダー全員が共通認識を持っていることを確認すること
・小規模プロジェクトのキックオフ会議は、立ち上げプロセス群の終了後に実施する