2024.07.15

PMP®試験概要:受験資格、難易度、勉強法など|2024.07更新

PMP®試験概要:受験資格・試験日程・難易度・勉強法など

PMP®試験について試験概要から受験資格・難易度・勉強法などをご紹介します。
2024年07月現在の状況ですので、情報が変わり次第アップデートします。


1  PMPⓇ概要

1.1  PMPⓇ資格とは

PMPⓇ資格とは、米国に本部があるNPO法人プロジェクトマネジメント協会(PMI)が実施、認定している国際資格「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(Project Management Professional)」です。

また、PMBOK®Guideは、世界中で事実上の標準(グローバルスタンダード)となっており、国や文化を超えてプロジェクトマネジメントについてのスキルを評価する手段として、様々な業界で注目している資格です。世界で100万人もの資格取得者がいます。

よく質問いただく質問に、PMP試験はITだけですか?と聞かれることがあります。
イープロジェクトで学ばれる受講生においては、ITだけでなく、建設、広告、製造業、コンサルティング会社など多様な業界からいらっしゃっています。

的確に情報を掴み、企業の成長スピードを向上させるには、プロジェクトスキルは欠かせないといわれています。また、PMPを学ぶことでプロジェクトを進めるうえでの共通言語を学ぶことが可能です。

1.2 PMPⓇ資格の価値

PMPⓇは、世界で通用するグローバルスタンダードとして位置づけられている国際資格です。

世界で約160万人以上の取得者が存在するPMPⓇはグローバルなプロジェクトを行う上でもプロジェクトの共通言語とされています。「PMI人材ギャップ・レポート(PMI Talent Gap Report)」によれば、プロジェクトマネジメントスキルを必要とする業務の数の増加などにによって、2030年までに2,500万人の新たなプロジェクトマネジメントの専門家がグローバルで必要になると予測されています。

また、国などの入札案件においてもPMPⓇの取得が要件になるものもあります。そして、日本においては、4万人以上PMPⓇ取得者がおり、世界で5位の水準となっています。PMP取得者は、様々な業界で活躍されています。

2 PMPⓇ試験受験資格・申請

2.1 受験資格(PMP受験資格には、下記2つの要件が必要となります)

2.1.1 プロジェクトマネジメントの指揮・監督する立場での経験

<高卒・短大者の場合>
プロジェクト業務を指揮・監督する立場で、60ヶ月のプロジェクトマネジメント経験。

<大卒者の場合>
プロジェクト業務を指揮・監督する立場で、36ヶ月のプロジェクトマネジメント経験。

2.1.2 35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講

プロジェクトマネジメントに関する研修を受講したことを証明する書類を保管する必要があります。
それに基づいて申請をします。ただし履修した内容に品質、スコープ、タイム、コスト、人的資源、
コミュニケーション、リスク、調達、統合マネジメントの知識エリアが含まれていることが必要です。

なお35時間の研修はPMI認定のATPなどが提供する講習が対象となります。イープロジェクトはプレミアムATPとなっております。

  ※ CAPMⓇ合格者でライセンスが有効な方は35時間の学習時間が要請されなくなりました。

2.2 試験の申請プロセス

1 申込みの申請:申込み開始後、90日以内に申請することになります。
2 PMIによる申請内容の完全性レビュー:オンラインで提出した場合には所要期間は5日前後要します。
(監査対象となった場合のみ:監査対象となった日から90日以内に監査資料をPMIに送付します)
3 受験料の支払いをします。
4 PMI からのapplication(受験申込書)審査完了の案内日より1年間が受験有効期間です。有効期間内に3回まで受験可能です。

2.3 監査

監査は無作為に選ばれます。監査対象となった場合には、次のような書類の提出が求められます。
・学位またはそれに相当する証明のコピー
・実務経験に記載したプロジェクトの上司(主任またはマネジャー)の確認サイン
・必須学習時間を満たす、受験申請に記載したプロジェクトマネジメント研修の学習実績に関する教育機関発行の受講証明書・レターのコピー

PMIは監査書類提出にあたり90 日間の期限を設けています。PMI が監査条件を満たす必要書類を受領後、監査が完了するのに約 5~7 営業日かかります。

2.4 受験費用

受験費用は、PMI会員と非会員とで違いがあり、以下のとおりです。
・PMI会員 $405 再受験の場合$ 275
・PMI非会員 $575 再受験の場合$ 375

PMI®会員になるためには、事前にPMI®のサイトにて登録が必要です。
2023年12月現在、PMI®会員は、PMI®のサイト(英語)で登録しますが、$152.9(年会費$129と入会金$10の$139+ Tax $13.90)となっています。

 日本においては、$13.90の消費税がかかっています。

PMI会員$405受験料とPMI®会員$152.9を足しても$557.9となります。PMI非会員 で$575支払うよりお安く済ませることが可能です。つまり、入会のメリットとしてはトータル受験価格が安くなるとともに、再受験の際に割安に受験することが可能です

 詳細はPMP®ハンドブックをご覧ください

3 PMPⓇ試験日程・試験内容・難易度など

3.1 試験日程・試験形式

CBT(Computer Based Testing)を使用した、四択選択式 、複数選択、空欄穴埋め、マッチング選択等の組み合わせ等の日本語の試験問題(もちろん英語などの言語を選択することも可能です)です。
試験時間は3時間50分で、問題数は全部で175問となります。なお、試験時間には60問について1回の10分間の休憩が認められるようになりました。

CBTでの試験であるため、試験結果は5営業日以内に受験結果のeメールが送付されます。

※ 2023.09 受験者には試験会場で合否結果(仮)は通知されなくなり、PMIから5営業日以内に受験結果のEメールが送付されることになりました。

試験はオンライン試験と日本各地のピアソンVUE試験会場での試験となります。各地の試験は、ピアソンVUEがベンダーとなり、PMP®オンライン試験を実施するベンダーはATA社となっています。
注意:試験が込み合っている可能性もあるため予約は早めにした方がよいかもしれません。

PMP®受験料を支払う際に、PMI®にログインし My pmi > Dashboard >Pay for Examをクリックすると、オンライン試験かピアソンVUEの各地テストセンターでの受験かを選択することが可能です。またATA社のシステムを利用したオンライン試験は月2回での実施です。

なお、試験についての情報は随時変更の可能性があるため受講生の方には最新情報をお知らせさせていただいていますのでご安心ください。

3.2 試験内容・範囲

出題が下記のように、人、プロセス、ビジネス環境となります。またPMP®資格試験内容の約半分は、予測型アプローチからの出題であり、約半分はアジャイル型アプローチまたはハイブリッド型アプローチからの出題です。
また予測型アプローチとウォーターフォール・アプローチについて詳細を示した「プロセス群:実務ガイド」はPMI日本支部にて販売しております。また「アジャイル実務ガイド」はPMI本部の有料会員になることでPDFを入手することができます。参考図書を必要とされる場合は、「プロセス群:実務ガイド」と「アジャイル実務ガイド」が望ましいです。
なおPMBOK第7版とは、「今までのプロジェクトマネジメントにおけるあらゆる開発アプローチの共通点を8つのパフォーマンス領域にまとめた概要書」です。そのため、アジャイルやビジネスアナリシス(ビジネス環境)や従来の予測型アプローチについて詳細を示した書籍にはなっていないため、PMBOK第7版の内容はPMP試験では包含されていません。つまりPMP試験はPMBOK更新の影響を受けません

I. PEOPLE, 42%
II.   PROCESS 50%
III. BUSSINESS ENVIRONMENT 8%

3.2 採点対象

PMP®試験では、180問の選択式問題が出題され、その内5問が採点されないダミーのテスト問題です。
つまり、採点対象は175問となります。

3.3 試験会場 受験日当日

ピアソンビューの会場、もしくはATA社のシステムを利用したオンライン試験で受験することになりますが、受験時には、身分証明書の提示が必要です。それは、試験申込者と本人を照合する身分証明書となります。政府発行のものとなり、1英文表記、2写真付き、3本人の署名が必要となります。

パスポートなら3つの要件を満たすため問題ないですが、写真付きの運転免許証・マイナンバーカードとクレジットカードの組み合わせであれば3つの要件を満たすことが可能です。なおピアソンビューの受験当日の本人確認書類はこちらをご確認ください。

3.4 試験結果の通知

コンピュータによる試験終了後、受験者にはPMIから5営業日内で、Eメールで合否についての連絡があります。
レポートには、人、プロセス、ビジネス環境という各ドメインの評価(「Needs Improvement」・「Below Target」・「Target」・「Above Target」)が表示されます。

4 PMP®の勉強方法

単に知識を問う問題からプロジェクトマネージャとしての行動などを問う問題などより実践に即した問題が出題されているということから難化したといわれています。

今後さらにその傾向は増すのではないかと思います。
そこで、「プロセス群:実務ガイド」と「アジャイル実務ガイド」をご自身の業務での課題をもって理解する学習が求められます。また弊社で35時間の研修を受講された方は、通学講座で利用したテキストやPMI公式オンデマンドコースに含まれる教材への理解が必要です。

4.1 必要学習時間

必要学習時間は人それぞれですので一概には言えませんが100時間程度と考えてください。
もちろん、模擬試験中心で短期的に学習される方や「プロセス群:実務ガイド」と「アジャイル実務ガイド」を時間をかけて読む方もいらっしゃいます。

4.2 おすすめ勉強方法

合理的・効率的に勉強を進めていくために一つのアイデアとしておすすめの勉強法をご紹介します。

4.2.1 戦略を立てる

スケジュールなどを含めてどう勉強を進めていくかを考えていく必要があります。
その時にベンチマークになるのは合格体験記です。

数十の合格体験記の中から学習方法などをざっと見てみてください。
そして参考になる方の勉強法を参考にしながら勉強することは学習効率アップの一助となります。
勉強期間(例 2ヶ月)やどこでいつ勉強するかも決めておくとよいと思います。
社会人であるとどうしても時間に制限があるために勉強場所・時間の確保が難しいです。
そこをコントロールしたいところです。

4.2.2 勉強方法

問題を解くことを重視しますが、とても重要なことは問題を解きながら「プロセス群:実務ガイド」と「アジャイル実務ガイド」を振り返ることです。
もちろん、知識問題も解いていくことは重要ですが、より実践的な問題を解きながら「プロセス群:実務ガイド」と「アジャイル実務ガイド」を見直すことがとても大切です。また弊社で35時間の研修を受講された方は、通学講座で利用したテキストやPMI公式オンデマンドコースに含まれる教材を見直すことが大切です。

そこでは、大量の問題を解く必要はありません。そして、ある程度「プロセス群:実務ガイド」と「アジャイル実務ガイド」を理解できた段階で多くの問題を解いていくことがよいでしょう。

イープロジェクトの問題集があれば合格体験記を見ていただいても質・量的に十分と考えています。

4.2.3 PMP® ITTOを覚える必要はあるのか?

ITTOとは、「プロセス群:実務ガイド」に記載されている各プロセスのインプット、ツールと技法、アウトプットの頭文字をとって表しています。
これらの覚え方についての質問を多くいただきます。

各プロセスの働きを覚え、その働きから想定できる重要なINPUT・ツールと技法・OUTPUT項目が何かという点を覚えることは必要です。またそれらの項目がどのような内容であるのかという点も覚えることが必要です。

しかし、働きを覚えず、単純に【●●プロセスのINPUTには組織のプロセス資産があるなど】程度の暗記は、試験対策としても実務においても意味がないと言えます。

という私も試験前に試験前にカフェでひたすら暗記していました(苦笑)なお、イープロジェクトでは講座内でPMBOK®Guide での 49 プロセス (一問一答 )を配布しております。

4.2.4 英語ができないとPMP試験は受けれない?

英語が苦手だからPMPには興味はあるけど受験しないという話を聞くことがあります。まず、学習については弊社講座も日本語で実施していますし、多くの本・問題集も日本語でそろっています。次に、PMP®試験については、試験自体は日本語を選択できますので、英語の能力は必要ありません。

しかし、PMIのサイトは英語ですし、申請時に実務経験等の登録には英語で書くことが必要です。 また、監査にかかった場合も含めてやり取りなども英語が必要となります。ここが課題となります。もちろん 英語力は必要です。ただ、要求されるのは読み書きです。そこで、Google翻訳などを存分に使えば対応可能です。

英文の詳細を見逃すことがあったり、日本語を翻訳して英語にしたときに、それが正しく意味をあらわしてるかどうかは確認することは必要になる場合もあります。まわりに少し英語ができる方がいらっしゃるとよりよいと感じます。 イープロジェクトで受講されている方には英語申請サポートがあります。受講生の方々の中には英語に拒否反応を示している方もいますが、合格されていますので安心して受講してください。 PMP®試験における業務経験記入について、以前は300文字以上の記入が必要であったのに対して200ワード以上の記入となりました。記入量は結構増えた印象です。

5 PMBOK第7版とPMP試験の関係性について 

PMBOK第7版は、あらゆる開発アプローチ(予測型、アジャイル型、反復型、漸進型、ハイブリット 等)の共通項目を特定し、12の原理・原則を指針とする8つのパフォーマンス領域をテーラリングするというプロジェクトマネジメントの概要について説明している書籍です。
つまりPMBOK第7版は特定の開発アプローチを詳述しているわけではなく、プロジェクトマネジメントのhow toは掲載されていません。
ご存知の通り、現在のPMP試験はExam Content Outline(ECO)に沿っている試験です。
ECOには、PMP試験の出題に関する記述として「試験の約半分は予測型プロジェクトマネジメント・アプローチに関する出題、残り半分はアジャイル・アプローチまたはハイブリッド・アプローチに関する出題」という記載があり、特定の開発アプローチ(主に予測型とアジャイル型)について出題されることが記載されています。また今のPMP試験は取るべきアクションや意思決定などhow toが問われやすいため、概要を説明しているPMBOK第7版では十分なPMP試験対策は難しいです。

以下のATP(PMI認証の教育プロバイダー)宛に発行した米国PMIのアナウンスのとおり、現在のECOでのPMP試験は予見できる今後を含めており、またPMBOK第7版のリリースとの直接的な関連性・影響はないと思われます。
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HOT TOPIC: PMBOK® Guide – 7th Edition does not impact the PMP® Exam Prep Training Materials
The PMP® Exam Prep course materials were developed to align to the PMP® Exam Content Outline. The current Exam Content Outline, dated January 2021, was designed to stay relevant for the foreseeable future, and PMI will give advance notice to you and public before a new ECO and corresponding exam is launched, and Authorized Training Partners will be given access to updated course materials.
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つまり、これからPMP試験の準備をされる方は、PMI認証の講座(通学講座PMI公式オンデマンドコース)を受講する。
また、すでに35時間の公式な学習を完了されている方については、予測型アプローチについての詳細を記述していたPMBOK第6版がすでに出版されていないため、その代わりでPMIが予測型アプローチの詳細について記述した「プロセス群:実務ガイド」と、アジャイル型アプローチとハイブリット型アプローチの詳細について記述している「アジャイル実務ガイド」で学習を進めることが妥当です。

まとめ

PMP®試験は、2021年1月の試験制度変更により、さらに実務的なものへと変化しています。
その中で試験に合格するためには単に問題を解くのではなく、実践的な問題を解きながら課題をもって各教材や書籍を読むということが大切と考えています。

 

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