2020.07.30

サーバントリーダーシップ・レトロスペクティブ・EQ|2021年PMP

予測型・アジャイル型・ハイブリッド型|2021年PMP

 

2021年から改訂されるPMP®試験内容は人(People)、プロセス(Process)、ビジネス環境
(Business Environment) の3つのドメイン構成になります。

サーバントリーダーシップ

ここではPMP®試験にでてくる用語などについてコラム形式でご案内します。

PMP新試験(2021年1月~実施開始)は、人、プロセス、ビジネス環境という3つのドメインから
出題されますが、今回はドメイン1のタスク2の「チームをリードする」の出題部分のサーバント
リーダーシップについてお話しします。

 

サーバントリーダーシップにおけるサーバントは召使、使用人、仕える者
、奉仕というような意味合いを持つ言葉です。奉仕型のリーダーシップですね。

 

サーバントリーダーシップという言葉は、ロバート・K・グリーンリーフの書籍であるサーバントリーダーシ
ップ(1977,英治出版)に示された概念です。

 

つまり、サーバント(奉仕)こそがリーダーシップの本質であり、リーダーは目標達成のために
チームに奉仕し、チームを導いていくという考え方です。

 

 

PMIのアジャイル実務ガイドによれば、「可能な限り、最高のチームパフォーマンスを実現する
ために、チームメンバーのニーズと開発を理解し対処すること」とあります。

 

つまり、部下の能力を肯定し、部下が自由に発言し行動できるような環境を作り、これらを支え
ることで信頼関係を築いていくスタイルでリーダーシップをとっていきます。
相手が最高のレベルで実行し改善を続けることができるように、相手の業務の支援および後押し
を行うことによって、サーバント・リーダーシップを実践するのです。

 

ただし、部下を肯定して信頼関係を築くサーバントリーダーシップを発揮しようとし、下手に
支援役の立場になろうとすると、反対に意見がまとめづらくなります。

 

その際は、プロジェクトの状況やプロジェクトの目標にもとづいてメンバーと話し合い、いく
つもある正論の中から1 つの正解をメンバーに提示することが大切です。

 

その際、メンバーに対して、プロジェクトマネジャー自身の意見を押し通すような対応は避ける
べきです。

 

レトロスペクティブ

レトロスペクティブは、スプリントレビュー後、各スプリントの最後で振り返りをする会議
のことです。

 

スクラムチームが自身を検証する機会であり、且つ次のスプリントのための改善計画を作成する
機会でもあります。

 

そこでこれから先どのように上手くできるようになるか理解するよう努めます。

 

レトロスペクティブでは「何が上手くいったか」「どの領域をもっと改善すべきか」「上手く
いかなかったところはどこか」の3つの質問に答えます。

 

PMBOK®Guideでは、スケジュールのコントロールプロセスや、品質プロセスの有効性の振り
返りという点で品質マネジメントに関連します。

 

スプリントレトロスペクティブのPOINTとしては以下のものとなります。

スプリントの反省、また反省を活かし、将来もっと改善すべきことを特定すること
完了の定義を再検討すること
成功した主な項目と潜在的な改善点を特定して整理すること

レトロスペクティブの利点としては以下のものが考えられます。

 チームを強化する
 学習を促進する
 チームがお互いに親しくなる

 PMI-ACPⓇ(アジャイル試験)でよく学習する項目です。PMP試験においてアジャイル、ハイブリッド
アジャイルの出題が増える試験においては知っておくべき知識でしょう。

 

感情的知性(EQ)とは

 PMP(R)の新試験範囲のPeopleドメインのタスクに感情的知性(EQ)に関わる記述があります。
具体的には、以下の記述があります。
「感情的知性(EQ)を応用して、チームのパフォーマンスを向上させる
・パーソナリティ指標を使用してふるまいを評価する
・パーソナリティ指標を分析し、プロジェクトの主要なステークホルダーに関して、感情面のニーズに合わせるよう調整する」

 

感情的知性(EQ)とはどのようなものでしょうか?

 感情的知性とは、自己や他者の感情を知覚するとともに自分の感情をコントロールする力であり、
集団の感情も含めて、個人とそのほかの人の感情を特定、評価、マネジメントする能力です。
そして、仕事への取組、人間関係への関心など、感情という視点から測定する指標となります。

 

自分の感情を認識し、それをコントロールができれば、適切な行動を取ることが可能となります。
感情自体の発生を抑えるのではなく、感情を理解し、コントロールし、行動に移すのです。

そうすれば、行動により、緊張状態を緩和させたり、協力体制を促したりが可能となります。

 プロジェクトマネージャーとしては必須な能力となりますね。